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編み物デザイナー ヘレナ・イェンセンさんのおすすめ『A Knitting Life 1 – Back to Tversted』

photo, text: Helene Jensen, Illustration: pan-to-tamanegi

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ヘレナさんのおすすめの本について聞かせてください。

『A Knitting Life 1 – Back to Tversted (原題: Et Strikkeliv 1 – Tilbage til Tversted)』(Marianne Isager 著、Isager 刊、2022年)

デンマークを代表するニットデザイナーであり、国際的に高く評価されている毛糸デザイナー、マリアンネ・イサガーさんの人生とそのライフスタイルが、3部立てで綴られているシリーズを挙げたいです。ここでは、彼女の家族のこと、現代スカンジナビア・ニットデザインのパイオニアであるオーセ・ルン・イェンセンから継承した古典的技術について綴られています。

『A Knitting Life 1 – Back to Tversted (原題: Et Strikkeliv 1 – Tilbage til Tversted)』

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この本のどんなところが心に残ったのでしょうか。

スカンジナビアの古典的な模様を継承しながらも、マリアンネ・イサガーさんによって生み出された綿密に模様は、私たちが編み物をデザインするという仕事の上でも、おおいに触発されます。
また、彼女のたゆまない高いクオリティを持つ毛糸の商品開発と、高いクオリティの素材を混紡毛糸に用って新たな機能を生みだすといった彼女ならではの挑戦に敬意を表しています。

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現在のお仕事・ご活動、ものづくりにはどう繋がっていますか。

マリアンネ・イサガーさんがつくった毛糸やその色合い、継承している貴重な古典技術は、編み物のデザインの基礎となっています。
私たちの『しましま編みニット』のコンセプトは、メリヤス編みで編まれた、いろいろな幅による縞模様の作品です。最初に色の組み合わせを決めて、その配色で作品をつくっていきます。クリスマスの作品は、赤と白の二色。春を表現した作品は、強いコントラストを持つ複数の色から構成されています。さらに新たにつくったヒュッゲを意識した作品は、トーンを持つ暖かい色でまとめています。この本ではオーナメントやアクセサリーの作品が多数収録されています。

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最後に、手芸・手仕事・ものづくりの魅力はなんだと思いますか。

私たちの作品をつくることで、皆さんの中に内在する「創造性」をさらに高めてもらえたらなと、思っています。
手仕事やものづくりの魅力は、機能性の高い、使いやすい作品でありつつも、創造的で、造形的な要素を持っている点だと思います。
また、編み物は、健康増進とリラックスをもたらすいう機能にも注目していきたいと考えています。
手の動きの反復的なリズムが穏やかな心拍を支えてくれるのです。指の間にからむ糸は手に心地よさを与えますし、色彩の美しさは喜びを生み出します。

PROFILE

ヘレナ・イェンセン Helene Jensen

デンマークの高等教育機関「デザインスクール・コリング」で学び、テキスタイル・デザイナーとしてデビュー。学生時代は、機械編みとプリントを合わせた編まれた平面を研究。素材が加工により変化することに興味を覚える。手編みでは、機械ではできない、手編みならではの編み目と毛糸のクオリティが互いに影響を受け合うことを重視しています。Helene Jensen Knitというブランドは、 @helenejensenknit や Ravelryで紹介しています。英語の編み図も用意しています。斬新な模様づくりと服のフォルムづくりを最も得意としています。

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