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手芸好きなら知っておきたい“姿勢”のこと その3 

皆さんは、手芸や手仕事をしている時の「姿勢」について気にされたことはありますか? 姿勢は気にはなっているけれど、どうすれば正しい姿勢になるかわからない…という方も多いと思います。今回は、ご自身の体の不調から姿勢の調整について学び始め、「姿勢をセルフチェックできるセーター」も作ることを思いつき、さらに姿勢アドバイザーの資格も取得してしまった介川朋子さんにお話を伺いました。手芸好きなら必ず知っておきたいこととして、皆さんもこの機会に「姿勢」について考えてみませんか?
photo&test : Tomoko Sukegawa

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手芸をする時の良い椅子の座り方

前回(その2)は、手芸をする時の椅子の座り方の良くない例を紹介しました。
今回はどのような椅子の座り方が良いのかを考えていきます。手芸をする時の身体への負担を少なくするために、私が実践している椅子の座り方や作業環境、ストレッチの方法などをご紹介します。まず確認したい要点は以下になります。

●椅子の高さを調整する
椅子に座った時に、肩が上がってしまったり (肩が上がると肩こりがひどくなります)、猫背や腰が丸くならない高さにを調整して座ります。ちなみに編み物教室では、受講生用の椅子も、高さが変えられる、昇降式の椅子を使っています。
●背中を背もたれにつけずに座る
●足先が膝より後ろになるように座る

椅子の座り方の良い例。背中が背もたれにつかず、足先も膝より後ろになっているのがわかる(写真のモデルは、編み物の指導者を目指しているFさんにお願いしました)。

作業をしやすい環境を作る

手芸をする中で、かなり前かがみ(猫背、腰が丸くなる姿勢)で作業を行うことになる場面があります。
たとえば編み物で言うと、「とじ」「はぎ」「糸処理」「ボタン付け」などでしょうか。そのような場合、私は椅子の高さを下げてできるだけ前かがみにならないように工夫しています。
また、あみぐるみのパーツの組み立て作業をする時などは、作品を箱などの上に乗せて、目線と作品の高さを同じくらいにして作業をしています。

あみぐるみのパーツを台の上に置いて組み立てると、目線と作品が同じくらいの高さになる。

もう1つは、編み図を見ながら編み物をする時に、テーブルの上に編み図を置くのではなく、譜面台に本や編み図を置いて編むようにしています。目の疲れにくさにもつながると思います。

編み図を譜面台に置いて編むと、作品と同じ目線になり、目が疲れにくい。

ある伝統工芸士の方が次のようにお話していたことがあります。
「作業をする時には、道具に自分の身体を合わせるのではなく、自分の身体に道具を合わせる」のだと。なるほどその通りだと思い、私は上記のことを実践しています。

編み物教室では、姿見を常に置いておき、すぐに姿勢チェックができるようにしている。

手芸をする前、途中、後に行っていること

手芸をしている間の姿勢だけではなく、注意して、習慣化していることに以下のようなことがあります。

●手芸を始める前に行っていること
「深呼吸」
人は何かに集中すると呼吸が浅くなるため、手芸を始める前や、休憩時に深呼吸をしています。深呼吸と言うと「吸って〜吐いて〜」と思われがちですが、吐く方を先にするとよいそうです。
「軽い運動をする」
手芸を始めると、どうしても座っている時間が長くなるので、血流を良くする意味でも、軽く身体を動かしてから始めるようにしています。

●手芸をしている途中で行っていること
座りっぱなしにならないように、時々立ち上がったり、物を何でも手の届く所に置かずに別の場所に取りに行ったり、途中で休憩を取るようにしています。
また、首の前側の筋が収縮してしまうので、時々天井を見るようにして首の前側を伸ばすようにしています。なお、背骨の関節の動きも関係しているので、無理のない程度にしてください。

●手芸をした後に行っているストレッチ
「手のひらや肘・膝を伸ばすストレッチ」
手芸をしていると、どうしても手のひらや、肘・膝の内側の筋が縮みますので、手のひらをパーのように開いたり、肘の内側・膝の裏側を伸ばすストレッチをしています。
「腰椎や股関節の動きを良くする運動」
座っている時間が長くなると、どうしても腰椎や股関節の動きが悪くなりますので、腰椎や股関節の動きを良くする運動を行っています。
「身体の前側を伸ばすストレッチ」
長時間手芸をしていると、身体の前側の筋が縮みます。その時は、腕をバンザイをするように、膝も伸ばして仰向けに寝て、身体の前側の筋を伸ばすストレッチをしています。

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今回の内容についても前回同様に、姿勢専科 KCSセンター宇都宮中央 姿勢科学士 大森先生のアドバイスをいただきました。具体的なストレッチの方法を知りたい方は、個人差があるため、姿勢科学という学問を学んでいる姿勢調整師の指導の元で行うようにしてください。
姿勢専科 KCSセンターは、全国各地にあり姿勢に関する講座や体験セミナーなども行っていますので、姿勢が気になる方、慢性の不調でお悩みの方は、ぜひご相談ください。
KCSセンターさんに紹介し、施術を受け始めて間もない筆者の編み物教室の受講生からも、痛みが緩和されたとの嬉しいお声をいただいています。

下のプリントは、KCSセンターさんで行っている検査のひとつです。姿勢チェックができます。

自分の未来と健康な身体は、自分で作る‼

「手芸好きなら知っておきたい姿勢のこと」を3回にわたってお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか? 自分の未来と健康な身体は、今の自分が作っています。慢性的な痛みや不調があると、大好きな手芸もできなくなります。
仕事も趣味も楽しく充実した日々を送るためにも、姿勢はとても大切です。今まで気になっていた方も、今まで意識してこなかった方も、ご自身の姿勢や、体の使い方、日常の習慣について考えるきっかけになれば幸いです。

PROFILE

介川 朋子 Tomoko Sukegawa

手編み講師・准師範。ニットデザイナー、ニット作家。日本手芸普及協会会員。姿勢アドバイザー。栃木県宇都宮市在住。ニットデモッテの編み物教室 にてマンツーマン指導を行っている。編物歴50年。銀行員として働きながら、フローラ編物専門学院に通い、手編み指導員の資格を取得。36年間勤めた銀行を退職後、編み物の仕事を始め、手仕事仲間と共に、編み物人口・手紡ぎ人口を増やす活動をしている。羊毛を紡いで毛糸を作り、自らデザインした手編み作品の制作販売も行っている。 2023年に長年の夢を叶え自宅編み物教室を開設。

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