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デンマークのしましま編みユニット ヘレナ&パニラが出版!出版記念来日ツアー刊行

昨年11月、ミグラテールの特集“世界の作家探訪 No.1 デンマークのしましま編みユニット ヘレナ&パニラ”にてじっくりお話を伺ったヘレナさんとパニラさん。それから約1年の年月が過ぎ、誠文堂新光社から2冊の本が出版されました!出版を記念して来日中の2人にインタビューしました。
photo & text: Hinako Ishioka

ヘレナ&パニラの本が出た!

デンマークを拠点に活動する”しましま編み”ユニット、ヘレナ&パニラ。
編み物デザイナーのHelene Jensen(へレナ・イェンセン)さん(ヘレナさん・写真左)と手仕事デザイナーのPernille Fisker(パニラ・フィスカー)さん(パニラさん・写真右)による本が出版されました。

2人の共著となるのが『デンマーク発 ヘレナ&パニラのしましま編みニット』(著者 ヘレナ・イェンセン/パニラ・フィスカー、翻訳 くらもとさちこ、誠文堂新光社刊)。

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そして手仕事デザイナーのパニラさんによる、『パニラ・フィスカーのアイロンビーズマジック』(著者 パニラ・フィスカー、翻訳 くらもとさちこ、誠文堂新光社刊)

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2人の共著『デンマーク発 ヘレナ&パニラのしましま編みニット』は、デンマークで2013年に出版された『しましま編み・クリスマス』と『しましま編み・春』の2冊をベースに、新作5点を追加、さらに廃盤になった糸の再選定を経て、日本で翻訳出版されることになりました。

この秋、2人は出版を記念して11月に来日。約3週間にわたるワークショップジャパンツアーを刊行しました。北海道から広島まで、日本列島を渡り歩き、デンマーク発の洗練された、かつチャーミングなデザインの手仕事の輪を広げています。
ミグラテールは来日した2人にインタビューをすることができました。本に込めた想いや考えを伺ったので、本を片手に、まだ本をお持ちでない方も、お楽しみください。

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『デンマーク発 ヘレナ&パニラのしましま編みニット』で初心者におすすめの作品はどれですか?

ヘレナさん:まずは「できた!」という感覚をつかんでいただきたいので、この本の技法のエッセンスがすべてこの作品を作ればわかる…ということもあって、「さんかくバスケット」が一番おすすめです。

ヘレナさんが指を指していのが「さんかくバスケット」。デンマークでは、クリスマスツリーにお菓子を入
れてを飾る習慣として残って
いるそう。

慣れてきたら靴下もおすすめです。靴下は一般的に4本針で輪編みしていきますが、まず平面で編んでから靴下の形にするところが面白いと思います。立体に閉じていく時に、引き抜き編みを使って閉じていくんですけど、あえてラインが見えるように閉じるところも楽しんでいただけるポイントになっています。

ヒュッゲ・ソックス。

ブランケットも面白いと思います。ガーター編みを組み合わせることによって綺麗な模様ができあがるところがポイントです。しましまを水平にするか、垂直にするかで模様の表情が変わるので、動きのある模様になる面白さもありますよ。

ヒュッゲ・ブランケット。

最後に取り組んでいただきたいのが、このお花です。

本を開いて見せてくれた。
ヒュッゲ・フラワー。

パニラさん:この本の配色、テクニックのすべてのエッセンスがぎゅっと詰まっているので、ぜひ挑戦してみてください。

素敵な配色はどのように決めていますか?

ヘレナさん:例えば、「ヒュッゲ・ブランケット」と「ぴょんぴょん帽」と「ヒュッゲ・バッグ」の3点は、2つの色に見えるけれど3つの色を使って深みを出しています。

85、109、115ページの作品。

他にも、84~85ページに載っている「ヒュッゲ・ブランケット」の配色は、デンマーク人デザイナーの椅子のテキスタイルにぴったり合うように配色を考えているんです!

この本では、3つの配色デザインがひとつにまとまっています。ひとつめはデンマークの国旗の色でもある「赤と白の世界」。そして「元気な色合いの世界」と「落ち着いた色合いの世界」です。それらを“どのようなコンセプトを立てて1つの本にまとめるか”ということを考えるのが私たちデザイナーの仕事かなと思っています。120ページの色相環を使って、自分なりの配色デザインも楽しんでみてくださいね。

120ページの色相環。

ちなみに、この本のコンセプトは?

ヘレナさん:1冊を通して、“しましま編み”と、“ガーター編み”が共通しているところですね。その2つのポイントの制約の中で、どこまで自由に遊べるかということを追求しました。
配色のクオリティや、テクニックの難易度によっていろいろなものが生まれる発見の面白さもありました。制約がなかったら、生まれなかったものだと思います。

今後取り組みたいことは何ですか?

パニラさん:手仕事デザイナーとしていろいろな人にインスピレーションを与えることに興味があります。みなさんが本来持っているはずの創造性を、私と出会うことで呼び起こすことになるようなことをやっていきたいです。アイロンビーズマジックの新しいデザインの開発にも取り組んでいきたいですね。

ヘレナさん:編み図の開発に取り組んでいきたいです。近年は、手芸本に編み図のレシピだけでなく、作品の素材のことなど背景やストーリーが入ってくる傾向がありますよね。作品をつくることに加えて、作品の背景をどう伝えるか、ということにも興味が出てきています。

パニラさん:将来の目標は、子どもたちが編み物を簡単に楽しめる世界をつくりたいと思っています。お花が好きな人、幾何学模様が好きな人など、いろいろな子どもたちがいますよね。お好みで、どのようなことに興味があるかによって、つくりたいものもさまざまなはずです。

次につくってみたいものはありますか?

たくさんあります。尽きることはないですね!

最後はお互いの眼鏡を交換して見つ合うヘレナさんとパニラさん。

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お互いのクリエイティビティとセンスを認め合う仲良しな2人は、配色や編み方、生活の中でどう使うかにまで考えを巡らせながらデザインを進めます。2人で共に楽しくデザインした後、手を動かしてものづくりを楽しみ、手仕事の楽しさをたくさんの人へ届ける果てしない旅の途中、この度は日本にまで足を運んでくれました。ぜひみなさんも、ヘレナさんとパニラさんによる本を通して、さまざまな手仕事を楽しむヒントを見つけてみてくださいね。

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