【日本】庄内刺し子
photo: Ayako Hachisu, text: Yoko Kaji
山形県の北西部・庄内地方に古くから伝わる刺し子のことで、その美しい模様や技術の高さから、日本三大刺し子の1つにも数えられている。麻布の織り糸を数えながらすくっていく津軽のこぎん刺しに対し、藍の木綿地に縦の基準線のみを引いて、運針の技術で刺していくのが庄内刺し子の特徴。どんな布にも自由に刺せることから、刺し手の豊かな個性が作品にも色濃く反映される。現在、確認されている伝統の模様は約40種類。そこには、家族の健康を願いつつ、過酷な労働の中にあっても生活を楽しむことを忘れない、女性たちの創造力が今なお息づいている。
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出典:『アジアのかわいい刺繡』誠文堂新光社 刊