【フランス】イニシャル&モノグラム刺繍
photo: Ayako Hachisu, text: Yoko Kaji
ヨーロッパの生活史を知るうえで欠かせないものにハウスリネンがある。それらの多くには、共同洗濯場で洗濯をする際の紛失防止や、収納・管理のために所有者を示す印として、イニシャル(頭文字)やモノグラム(組み字)が刺繍されていた。専門の刺繍職人も存在したが、女性のたしなみとして小さいころから技法を習得し、衣服や生活用品、教会用の布に施された。特に白糸で盛り上げて刺すイニシャル刺繍は、フランス刺繍を代表する技法でもある。
出典:『ヨーロッパのかわいい刺繡』誠文堂新光社 刊