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ときめきぬいぐるみクリエイター JUNK FOOD OPERA ハタヤエリさんのおすすめ『メアリー・ブレア――ある芸術家の燦きと、その作品』

photo, text: JUNK FOOD OPERA Eri Hataya, Illustration: pan-to-tamanegi

初めまして、JUNK FOOD OPERAのハタヤと申します。
ぬいぐるみを制作したり、イラストを描いたり、デザインをしたりと、針を持ったりミシンを踏んだりパソコンに向かったりと、くるくる踊るような毎日を過ごしております。
毎朝起きた時に、可愛いものや素敵なものを世に生み出すことや、まだ知らない新しいものに出会えること、今日は何が起きるかなとわくわくする生活を送っております。

Q

ハタヤさんのおすすめの本について聞かせてください。

『メアリー・ブレア――ある芸術家の燦きと、その作品』(ジョン・ケインメーカー著、那波かおり翻訳/岩波書店/2010年)

『メアリー・ブレア――ある芸術家の燦きと、その作品』

私が高校生の頃、母に誘われて地元の百貨店で開催されていたメアリーブレア展へ行きました。その時に初めてメアリーブレアの作品に出会ったのですが、展示されていた作品に大変心を奪われ、可愛らしい絵柄や色彩や、イッツアスモールワールドの元となるコンセプトアートの、見ているだけでわくわくするときめきを感じるデザインに夢中になりました。
後に画集が発売されて、喜び勇んで購入したと記憶しています。ウォルト・ディズニー社での仕事から独立後の作品まで網羅され、その色彩やデフォルメの可愛さに多大な影響を受けています。

Q

この本のどんなところが心に残ったのでしょうか。

学生時代、漠然と絵を描く仕事や、ものをつくる仕事がしたいと考えていた時期にメアリーブレアの作品と出会い、「こういう作品を作りたい」と強く思ったのは初めてでした。1枚のコンセプトアートからアニメ作品や映画、遊園地のアトラクションが生まれるのだということに感銘を受け、無限の可能性が広がっていくことにロマンを感じました。
この作品集はそんな学生時代から今に至るまで、何度も読み返している本です。色使いや構図、可愛さを表現する秘訣など、読む度に新しい発見があります。「不思議の国のアリス」のコンセプトアートが特に可愛くて、セイウチに食べられてしまう牡蠣のシーンの絵が、とてもつらいですが特に好きです。

Q

現在のお仕事・ご活動、ものづくりにはどう繋がっていますか。

現在はぬいぐるみ制作を主な仕事にしていますが、可愛いものを作ることの「可愛い」の方向性の部分に、かなり影響を受けていると感じています。
手から生み出すこと、感性を磨くこと、ものをつくる仕事で自分の人生を彩ることの素晴らしさを、メアリーブレアの作品が教えてくれました。
お花畑の絵を描く時に大胆にテキスタイルの柄のような大きな花や草を描くこと、丸っこくて可愛くて生き生きとした人物や動物を描くこと、「こういう風にすると可愛くなる!」と発見して自らも作り出していくことを、ずっと大切にしていきたいです。

Q

最後に、手芸・手仕事・ものづくりの魅力はなんだと思いますか。

ぬいぐるみの制作を始めた当初は、まさかぬいぐるみ作家として独立するとは思っていませんでした。それでも作り始めた時に、次はもっと上手くできるという謎の確信があったり、毎日飽きずに制作していて気がつけばもう5年経っていました。
ぬいぐるみは同じ型紙で、同じ生地や糸を使っていても、全く同じものは1つも生まれないところがすごく好きで、全てにおいてコピーアンドペーストできない部分が魅力だと感じています。
ぬいぐるみに限らず、作った人にしか作れないもの、そういった手工芸の作品にたまらない愛おしさがあります。

クオッカちゃんも本が気になる様子…。
ハタヤさんのイラストたち。

PROFILE

JUNK FOOD OPERA ハタヤエリ

横浜美術短期大学グラフィックデザイン科卒。
ときめきぬいぐるみクリエイター/キャラクターデザイナー/イラストレーター/その他毎日の暮らしにわくわくとときめきをプラスする、可愛いものづくりの活動をしています。

HP: https://www.junkfoodopera.com

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