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枚方T-SITE shugei lab. 阪本貴三子さんのおすすめ『てるみのなんでもかんでも作っちゃおう フェルトの小もの集』

photo, text: Hinako Ishioka, Illustration: pan-to-tamanegi

枚方と書いて「ひらかた」と読む。関西人にとってはお馴染みのソウル鉄道、京阪電車の「枚方市駅」を降りてすぐ、枚方T-SITEの4階にshugei lab.はあります。スタッフの阪本貴三子さんにおすすめの手芸本を伺いました。

編集部

阪本さんのおすすめの本について聞かせてください。

阪本さん

『てるみのなんでもかんでも作っちゃおう フェルトの小もの集』(雄鶏社刊)です。私が小さい頃、昭和のお母さんたちは、誰かのお家に集まって、ありとあらゆるものを手作りしていました。もともと母が手芸やものづくりが好きで、手芸はすごく身近にあったんです。それから私が小学生になった頃、この本を見た時に、初めて「自分で作りたい」と思って。それでこの本を見ながら、選りすぐりのマスコットをつくっていました。ただただ毎日この本ばっかりを眺めて、次は何を作ろう、何色のフェルトを買おう…って考えていたんです。手芸クラブにも入っていました。

レジェンド作家の大高輝美さんによるフェルト手芸は、小さい頃、誰もが通った道かもしれない。『てるみのなんでもかんでも作っちゃおう フェルトの小もの集』(大高輝美/雄鶏社/1981年刊)

編集部

てるみさんの本のどんなところが心に残ったのでしょう。

阪本さん

てるみさんのつくるマスコットは、表情が本当に優しくて可愛くて、笑っているばっかりじゃない、いろいろな表情があるんですよね。それが楽しくって。だけど正直、てるみさんの作品のようにはつくれなかったんですよ。できあがりと、本の中のマスコットの表情が全然違って、ショックを受けながら…。それでも楽しくつくっていました。それで最近驚いたのが、復刻版が出たんですよ(『復刻版 大高輝美のコロコロ人形』(ブティック社刊))! その本を見て、またつくってみるとやっぱり楽しくて。てるみさんは私にとって手芸の原点です。

編集部

そんな原点から現在のshugei lab.の取り組みにはどう繋がっていますか。

阪本さん

私は枚方出身なのですが、小さい頃は町の手芸店がたくさんあって。当時の手芸店は、母親世代の人がすごく集まっている場所でした。わいわいした店内の細い路地を通ってフェルトコーナーの引き出しを開けたりするのも楽しくて。その頃から素材を集めるのが好きなんです。今でもボタンや糸などの素材を見つけては、ついつい集めています。それもあって、shugei lab.では枚方T-SITEのイベントスペースで「ひらかた手芸市」という素材市を年に4回、開いています。ボタン、布、ビーズなどの素材屋さんと、洋服やアクセサリーの作家さんが一緒になって集まるマルシェです。今年の5月からは「ひらかた糸市」も始めました。春夏、秋冬の年2回開催で、季節ごとの糸に特化したイベントを開いています。

編集部

shugei lab.ならではの取り組みはどんなところですか。

阪本さん

もともと蔦屋書店で手芸書の棚を担当していて、手芸書の出版社さんとも繋がりがあったので、書籍と繋げた展示やフェアに取り組んでいます。書籍に載っている作家さんの作品を展示させてもらったり、実際に作家さんを呼んだりして、手芸を通して人が集まる場所をつくりたくって。「ひらかた手芸展」と題して、作家さんを呼んで、書籍の展示、掲載作品の販売、キット販売、ワークショップを10日間にぎゅっとまとめたイベントも開きました。「ひらかた手芸展」は年に2回開催しています。堀川波さんや、ミムラトモミさんなど、作家さんを軸にした単独イベントも開いたり、現在shugei lab.では、ほとんど毎日、いろいろなジャンルの手芸のワークショップを開いたりしているんです。

編集部

手芸店では類を見ない盛んな取り組みですね…。では、最後に。手芸の魅力はなんだと思いますか。

阪本さん

やっぱり手芸を通して、人が集まる場所が好きなんだと思います。作家さんなり、講師の方に、知らなかったジャンルを“教わる”っていうのが好きです。学びたい欲が満たせる。いろいろなことを知れて、それを自分のものにできる場が魅力です。 作家さんのワークショップの時には特に、作家さんのことが好きな人が集まるから、初めましてなのに既に繋がりを感じるんです。すぐにお友達になれそうな感覚。好きなものが共有されているので、みんなでおしゃべりする時間も楽しいですね。なにより、みなさんが集まって楽しんでいらっしゃる場を見るのも好きだな、と思います。

枚方は、江戸時代に江戸と京都を結んだ東海道が整備された時、延長して京都と大阪を結んだ56番目の宿場町のひとつ(東海道五十三次は五十七次の説もあるのだとか)。昔から人々の交流の場として文化が栄えた町でした。大阪、京都、奈良など、関西のどの地域からも辿り着きやすい好条件の立地。

さまざまな人が集まりやすいその場所で、阪本さん率いるshugei lab.は、大高輝美さんの作品のように、昭和時代の大阪の母たちのように、表情豊かにみんなが楽しく集まる「手芸の場所」の風景を、枚方で生み出しています。

PROFILE

阪本貴三子 Kimiko Sakamoto

枚方市出身。保育士として働いたのち、子供服、生活雑貨の販売を経験する。TSUTSYA枚方駅前本店時代より、CD・DVD販売や児童書などを担当し、枚方T-SITEオープンに伴い、枚方蔦屋書店「手芸」担当として着任。shugei lab.オープンに伴い異動し、書籍に関わるフェアや展示、企画イベントを中心にshugei lab.運営に携わる。

INFORMATION

ひらかた手芸市

年に4回、手芸素材などの店舗が10店舗以上集まるイベント。美しく染められた糸、個性的なボタン、ガラスを溶かして作られた手作りビーズなど、ヴィンテージ品から現代品まで様々な手芸パーツが大集合!その時に出会う物はまさに一期一会。ワークショップの開催もあり、見所や新しい出会いがたくさん詰まったイベントです。

最新情報はインスタグラムをチェック。
https://www.instagram.com/p/Cw6cjNLvw88/?img_index=1

INFORMATION

ひらかた手芸展

憧れの作家さんに「会える」、憧れの作家さんの作品が「見れる」、憧れの作家さんの作品が「作れる」、今まで知らなかったもの、他では買えないものに「出会える」イベントです。
作家の作品展示や販売、オリジナルキットの販売、ワークショップを開催しています。

INFORMATION

ひらかた糸市

ものづくりをされる方にも、ただ糸が好きな方にも、たくさんの糸を見て選んで頂けるイベントです。
色とりどりで太さも形も様々な糸。集めたり何かを作ったり、糸を見ているだけでもわくわくします。ワークショップも期間中にお楽しみ頂けるイベントです。

2023年の10月に2回目が開催される予定です。
https://www.instagram.com/p/Cwyr0WlvBco/?hl=ja 

INFORMATION

枚方T-SITE shugei lab.

手芸の愉しみを提案するショップ。すぐに始められる手芸キットから、心ときめく手芸道具・刺繍用品・編み物用品・布などを選りすぐりでご用意。常設でお取り扱いするメーカー様と時期ごとに変わるフェアにて、「手芸を愉しむ」新しい提案をしている。また、「ひらかた手芸市」「ひらかた手芸展」「ひらかた糸市」といった企画イベントにも注目だ。

HP: https://store.tsite.jp/hirakata/floor/shop/shugei-lab/

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