【インド】カシミール刺繍
photo: Ayako Hachisu, text: Yoko Kaji
インド北部の高山地帯・カシミールの伝統工芸。この地域原産のカシミア山羊の毛から作られたショールが有名で、織物のほか、細かな刺繍を施したものが知られている。
アリ(Aari)という先端がかぎ状になった特殊な針を用いることからアリワークとも呼ばれ、目のそろったチェーンステッチが特徴。イギリスにおける環縫いミシン発明の原型になったとも考えられている。
18~19世紀のグジャラート州において、宮廷・貴族および富裕階級のための刺繍を専門に手掛けた職人コミュニティ「モチ共同体」の男性刺繍職人により、その技術が発展した。
出典:『アジアのかわいい刺繡』誠文堂新光社 刊