knitting yarn-1【アメリー】①アメリーってどんな糸?

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暑かった夏が一段落し、ひんやりとした空気が吹き抜け、少しずつ秋の気配を感じる今日この頃。待ちに待った編み物の季節が近づいてきました。いやいや、すでに編み始めていますよ、という編み物好きの方もいらっしゃるかもしれませんね。
手芸や手仕事の業界では、シーズンごとにメーカー各社から糸をはじめとしたさまざまな材料やキットが発表されます。2025AWも新商品や新素材、新色などなど、いろいろな商品が発表されました。新たに仲間入りしたラインナップは、8月中旬~末くらいから店頭に並び始めています。新商品はとても魅力的で興味深く、掘り下げて知りたい気持ちがふくらみます。
一方で、毎シーズン変わらず売り場に出続ける定番商品もあります。廃番が多く移り変わりの早い商品群の中で、今年も変わらずに売り場にあることがわかると、なんだかとてもホッとすることも。そんな、ユーザーに愛される定番たる所以、長く愛用される理由は何なのか、人気の秘密はどこにあるのか。なんとなく見当はつくけれど、あらためて調べたことはないし、知らなくても不便はなかったという方も多いのではないでしょうか。
でもそれではもったいない。目にする機会の多いロングセラーや定番商品、良質な道具やすばらしい製法で作られた商品について、ぐぐっと掘り下げてあらためて知る機会を、この「itopedia(イトペディア)」という企画にて作ってみました。記念すべき一回目は、安定した人気を誇る手編み糸「アメリー」(以下アメリー)について調べてみようと思います。すでに知っているよ!もう使っているよ!という人も、今回はじめて知るなあ、という方も、この機会にぜひご一緒していただけると嬉しいです。
Itopedia(イトペディア) knitting yarn-1【アメリー】contents
① アメリーってどんな糸?
② アメリーができるまで(10/20up)
③ designer’s kit Nagi’s Knitsさんインタビュー(10/25up)
④ designer’s kit 112 藤本奈々子さんインタビュー (10/25up)
⑤ 冬に編みたいウエアと小物のおすすめ書籍
⑥ 新刊『アメリーで編む かわいい小物』『アメリーで編む あったかウェア』紹介(10/30up)
①アメリーってどんな糸?

アメリーは、ハマナカ株式会社が販売している並太タイプの手編み糸です。ハマナカは、京都に本社を置く手芸用品メーカーで、手芸糸をはじめフェルトや手芸用の資材など、さまざまな商品を企画・販売する会社です。
ここで、毛糸の太さについておさらいです。手編み糸の太さは、日本では大きく6つに分類されることが多いです。一番太い糸から「超極太(ちょうごくぶと)」、「極太(ごくぶと)」、「並太(なみぶと)」、「合太(あいぶと)」、「中細(ちゅうぼそ)」、「極細(ごくぼそ)」と分けられています。さらにここから「太」や「超極細」といったより細かな分け方をされることも。メーカーや商品によってさまざまに分類されます。

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編みやすさと豊富な色数が特徴
アメリーには3種類の太さがあります。中でも定番としてながらく販売されているのが「並太」タイプ。糸全体でいうとちょうど中間くらいの太さで、手編み糸の中では編みやすい太さといえます。一般的に並太は、セーターやベストなどのウエア類はもちろん、バッグやポーチといった小物やブランケットなどのインテリア雑貨にも適した、幅広い用途で使える万能な太さ。アメリーも例にもれずさまざまな作品が編めるので、定番糸として愛用され続けています。


そして、一度編んだ人はご存じと思いますが、アメリーは編みやすいことでも知られています。糸がとても軽やかで針の滑りがよく、棒針・かぎ針のどちらで編んでもストレスを感じずスイスイ編み進められる、と実際に編んだユーザーから評価を受けています。並太のほかに、「合太」のアメリーエフ《合太》、「極太」のアメリーエル《極太》という横の展開もあり、糸の太さが変わっても編み心地はそのままなので、慣れ親しんだ使い心地のまま作る作品ごとに糸の選択肢を広げられるのも、定番商品たる所以かもしれません。


編み心地に加えて、豊富なカラーバリエーションも魅力。アメリーのカラーリストはなんと52色!(2025年10月現在)。パキッとしたビタミンカラーからメランジェ調のニュアンスのある色まで、色数の多さと色彩幅の広さに驚きます。それもそのはず、色を監修したのは、ニットデザイナーの風工房さん。単色使いはもちろん、細かな伝統柄の編み込み模様や微妙なグラデーションのある柄にも向いているので、自分好みの色や組み合わせを探してみるのも楽しそうですね。








いかがでしょうか。編み物を始めたくなってきましたでしょうか。次のページでは、アメリーが完成するまでの製造工程を紹介します。
