世界のビーズを見て楽しい、歴史と文化を知って楽しい『世界のビーズ図鑑』(ラトルズ刊)
今や“おしゃれ”のひとつとして身に着けられるビーズ。日本では、昭和時代に流行したビーズバッグ、子どもの手芸、自分でつくるアクセサリー素材として広く楽しまれてきました。
そのビーズ、人類の歴史とともに歩みを進めてきた装飾品であることをご存知でしょうか。
発祥は約10万年前といわれ、世界各地の民族が儀礼や魔除けなどのために祈りや願いを込めて使用し、民族のアイデンティティーを表現する文化的に重要な素材でした。
時代が進み、民族間の交流が始まると経済活動としての交易に用いられるようになり、さらに1920年代にはヨーロッパでビーズドレスが流行しファッションのパーツへと昇華していきます。このようにビーズは長い歴史と多様な側面があるものなのです。
そのようなビーズの歴史と文化を掘り下げ、写真資料を満載にまとめたのが本書。
構成は「第1章 ビーズとは」「第2章 世界の民族とビーズ」「第3章 ファッションとビーズ」「第4章 もっと知りたいビーズの世界」です。
ビーズを身に着ける意味から、植物・動物由来の素材の種類など基本的な情報はもちろん、約40カ国の世界の民族が使用したビーズの装飾品を解説とともに掲載。後半には、20世紀前半のビーズドレスやバッグなど近現代的なビーズの用例を紹介。さらにビーズがいかに始まりどのようなルートで世界に広がったかなどについて、ビーズの歴史をより深く読み解くページも。さらには日本ビーズ産業の代表企業・MIYUKIビースへの取材記事や、現代の日本のビーズアート界の重鎮、田川啓二さんの作品まで掲載されています。
編著は文化学園服飾博物館。日本のファッション教育をけん引する学校法人文化学園を母体とする、1979年に開館した服飾専門の博物館です。日本を代表する服飾博物館のコレクションから本書に掲載された写真資料は約500点と膨大で、かつて世界各地の民族が実際に着用していたような貴重なものばかり。
過去から現在まで多方面に広がる、深淵なるビーズの世界。この本はその入口として、図鑑として眺めるだけでも、じっくり読んでも、驚きの連続があなたを待っています。
そして!なんと本書に掲載されているビーズの数々を鑑賞できる展覧会が開催中!
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「世界のビーズ」展
展覧会公式サイト:https://museum.bunka.ac.jp/exhibition/exhibition5453/
会場:文化学園服飾博物館
会期:2024年7月19日(金)~11月4日(月)
開館時間:10:00~16:30 ※入館は閉館の30分前まで
(ただし8月30日(金)、10月25日(金)は19:00まで開館)
休館日:日曜、祝日、夏期休館 8月9日(金)~18日(日)
※7月28日(日)、8月25日(日)、11月3日(日)4日(月)は開館
入館料:一般500(400)円、大高生300(200)円、小中生200(100)円
※( )内は20名以上の団体料金
※ 障がい者とその付添者1名は無料
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こちらもぜひ訪れてみてくださいね。
INFORMATION
株式会社ラトルズ
IT書を中心とした書籍の出版、電子書籍の販売を行う。
住所:〒115-0055東京都北区赤羽西4-52-6
お問い合わせ:https://www.rutles.co.jp/contact/
公式HP:https://www.rutles.co.jp/