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民藝のいまを知るなら『民藝の教科書⑤ 手仕事いろいろ』(グラフィック社)

photo & text: Migrateur editor team

鎌倉の「もやい工藝」店主・久野恵一さん監修、歴史的背景や思想よりも“いまの民藝”を紹介することにこだわる「民藝の教科書」シリーズの第5弾。

このシリーズは第1弾に「うつわ」、第2弾に「染めと織り」、第3弾に「木と漆」、第4弾に「かごとざる」と、特定のカテゴリーに絞って展開されましたが、第5弾となる本書は「手仕事いろいろ」と題され、1冊のなかにガラス、はさみ、ほうき、うちわ、真鍮、鉄器、和蠟燭、和紙など、既刊シリーズではカバーできなかったさまざまな手仕事が紹介されています。
(最終巻の第6弾は「暮らしの道具カタログ」として1~5で紹介されたすべての商品が紹介されたカタログとなっています。)

シリーズを通して、全国各地の民藝の産地を実際に訪れ、つくり手への取材を重ねた充実の内容。約100年前に誕生した「民藝」の「いま」を掴むのにはうってつけな、民藝ファン必携のシリーズ本です。

目次。

教科書というタイトルに沿って、内容も≪1時間目≫諸工芸の基礎知識 ≪2時間目≫産地を訪ねて、諸工芸を知る ≪3時間目≫使ってうれしい手仕事いろいろ と学校の時間割のように構成されています。

1時間目「諸工芸の基礎知識」は、「見分けて学ぶ これって民藝?」から始まり、「民藝」という言葉を生んだ柳宗悦による民藝の考え方に基づいて、本書のタイトル“手仕事いろいろ”にあたる“諸工芸”とは何かなどについて解説されています。
2時間目「産地を訪ねて、諸工芸を知る」では、いまを生きる民藝のつくり手たちへの取材記事が掲載されます。日本各地で美しい手仕事品を作り続けている作家や職人のストーリーをていねいに取材。岡山県の倉敷ガラスから、栃木県の烏山和紙まで、26項目にわたって、それぞれのつくり手の想いや背景を知ることができる貴重かつ読み応えのある内容です。
3時間目「使ってうれしい手仕事いろいろ」では、これまでのページでぎっしり紹介された、手仕事の品々を実際に選んで使用するヒントが書かれています。数々の手仕事品の中から、「自分の生活に取り入れるならどれだろう…?」と考えるのが楽しくなってくる内容です。

はるか昔に各地で生活用品として生まれ、つくり手や産地によってデザインや細部の美しさが確立されていった民藝品。
今では生活用品を選ぶ時、大量生産された安価な物から、ひとつずつ手でつくられた手仕事品まで、数え切れないほどの選択肢がありますよね。
まずはこの本を読んで心に残ったひとつから、日本の手仕事品を使う生活を始めてみませんか?

BOOK information

民藝の教科書⑤ 手仕事いろいろ

監修 久野恵一
出版社 グラフィック社
価格 2,200円(税込)

歴史的背景や思想よりも“いまの民藝”を紹介することにこだわる「民藝の教科書」シリーズ。ガラス、金工、蝋燭、草工品、和紙など、既刊シリーズではカバーできなかったいろいろな仕事を紹介している。

販売サイト
グラフィック社公式サイト
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