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見せる修繕のワークショップ「Making Mends ミンナとフクをツクロウ」に参加してきました。

特集「見せる、見せないメンディング」でインタビューを行ったハフマン恵真さん。彼女とその友人ダニカ・ヴァン・カートさんが運営する、見せる修繕のワークショップに参加してきました。
text & photo: Migrateur editor team

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見せる修繕のワークショップ

3/17(土)18(日)にSalot(サロット)主催の見せる修繕のワークショップ「Making Mends Workshop」が、MIDORI.so馬喰横山にて開催されました。
サロットは、ミグラテールの特集「見せる、見せないメンディング」の見せる修繕パートでインタビューしたハフマン恵真さんと、ダニカ・ヴァン・カートヴェンさんのデザインユニットです。彼女たちはオランダのアムステルダムと日本の二拠点で、循環型社会を実現するためのデザインに取り組んでいます。今回は、見せるメンディング(修繕)のワークショップを東京で開催。ミグラテール編集部も、修繕したいデニムを持って参加してきました。

今回のタイトルは「Making Mends ミンナとフクをツクロウ」。

お二人が紹介している「見せる修繕」は特集記事でも紹介しましたが、とても自由で決まりのないもの。今回のワークショップでは、まず手始めに葉っぱの修繕から始まりました。参加者それぞれの目の前にランダムに置かれた葉っぱは、亀裂が入っていたり、大きく破れていたり、さまざまなものでした。

参加者に与えられたお題は、「自分で葉っぱを修繕すること」。目の前には、カラフルで太さや素材もいろいろな糸、ハギレ、そして針とはさみが用意されていて、あとは自分で「葉っぱを修繕する」ことの定義を考えながら、手を動かしていくといった流れです。その過程では「面を埋めることだけが修繕じゃないのかな…」とか「葉っぱはもともと繊維でできているのだから、細い糸で繊維のようにかがっていきたいな…あっ、そんな技術ないや…」など、とにかく頭をフル回転させていました。結局、与えられた10分間でできあがったのは、細いピンクの糸を、弦のように渡らせたもの。完成形は自由で正解はないので、個人的に好きな作品になりました。

これも修繕?あなたならどう修繕しますか?
ワークショップ参加者たちの葉っぱの修繕。

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見せる修繕をすることってどんなこと?

次に見せる修繕とはどういうことかについて、紙芝居形式で説明がありました。このあたりは、ミグラテールの記事で恵真さんにたっぷり語っていただいたので、気になる方はそちらを読んでみてくださいね。

自分で修繕するってどんなこと?見せるメンディングの活動家、ハフマン恵真さんインタビュー vol.1
穴やシミも、生かしちゃえ。見せるメンディングの活動家、ハフマン恵真さんインタビュー vol.2
修繕はエンパワーメントだ!見せるメンディングの活動家、ハフマン恵真さんインタビュー vol.3

その後、見せる修繕のなかでも「パッチをつけて縫う技法」を練習してから、実際に参加者たちが持ってきた衣類を自由に修繕していく流れでした。
編集部Iは、自転車に乗りすぎて股の部分がぼろぼろに裂けたデニムを持ってきました。学生時代に初めて買ったお気に入りのリーバイス501だったので、捨てることもできず、いつか修理に出そうとクローゼットに眠ったままになっていたものです。

股の部分がぼろぼろに裂けたデニム。

さっそく本番に取りかかりました。練習段階で制作したパッチが好きな色味だったので、そのままデニムの裂けた部分に縫い付けることにしました。なみ縫いとかがり縫いさえできれば、ざくざく進められるワークショップは手芸初心者の私にとっても、とても楽しいものでした。修繕したものは実際に自分で身に着けることになるので、糸やハギレを自分で選べるのもすごく魅力的です。

修繕は、ほころんでいる穴の部分に対して、新しい布の面を自分でつくりあげることです。その過程において、初めは脆(もろ)くてそっと触れなければいけなかったものが、だんだんしっかりしてきて、最後は安定した布になる、という工程を通過します。一見当たり前のことですが、この工程を見届けるということは、日常生活では、あまりないことに気づきました。そして、その間にどんどん心が満ちていくような感覚もまた、普通に生活しているだけでは得られないものではないでしょうか。壊れていたものを自分で直していくことは、手に入れた時のことを思い出しながら、それをまた新たな形で使える喜びを自分で生み出していくことなのかな…と考えたりもしました。
私のデニムはかなり穴が開いていたので、まだ修繕する箇所が残っていますが、これから続きを行って必ず完成させ、また新しい気持ちでこのデニムを履ける日が来るのがとても楽しみです。恵真さん、ダニカさん、素敵な機会をありがとうございました!読者のみなさんも機会があれば、サロットのワークショップに参加してみたり、「見せる修繕」に挑戦してみてくださいね。

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PROFILE

ハフマン恵真 Emma Fukuwatari Huffman

京都工芸繊維大学でデザイン学を専攻し、2022年に修士号を取得。アクティビズムとケアとしての修繕に関心があり、日蘭を拠点にビジブルメンディングのワークショップ開催などの活動を展開。Studio A-lot-of-thingsの共同創設者。

Studio A-lot-of-thingsのインスタグラム:https://www.instagram.com/studio.alot/

https://efhuffman.com/

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