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vol.9-1 ヨーロッパのクリスマスマーケットへ ~チェコ、オランダ、ポーランド、フィンランド、エストニア~

クリスマスが近づくこの時期。ヨーロッパではクリスマスマーケットの真っ最中です。クリスマスマーケットには、ツリー飾りやギフト品だけでなく、その土地や時期でしか買えない珍しい名産品や食品、グルメ屋台などがズラリと並びます。大都市のクリスマスマーケットはライトアップも華やかで絵になりますが、地方都市に足を延ばしてみると、思いがけない手作りクラフト品などに出会えます。今回は中世の佇まいを残す、中欧と北欧の小さな町のクリスマスマーケットを紹介します。
Text,photo: Sachiko Suzuki
チェコの首都、プラハのクリスマスマーケットは国内最大規模。地方都市を回った後で大都会へやってくると、一段とクリスマス気分が盛り上がります。

①チェコ オロモウツのクリスマスマーケット
②チェコ ブルノのクリスマスマーケット
③オランダ ゴーダのクリスマスマーケット
④オランダ ドルトレヒトのクリスマスマーケット
⑤ポーランド ポズナンのクリスマス市
⑥フィンランド オルモナのクリスマスマーケット
⑦フィンランド ヘルシンキのクリスマスマーケット
⑧エストニア タリンのクリスマスマーケット

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チェコ オロモウツのクリスマスマーケット

チェコで美しいクリスマスマーケットのひとつといわれているのが、オロモウツ(Olomouc)のクリスマスマーケットです。モラヴィア地方にあるオロモウツは、首都プラハから南東へ約250kmのところにあるチェコで5番目に大きい街。ユネスコ世界遺産、聖三位一体柱をはじめとする古い文化遺産が点在し、芸術の都としても知られています。モーツァルトがこの地で交響曲6番を作曲したことは有名です。
オロモウツのクリスマスマーケットは、中心地の2つの広場で行われていて、12月になるとスケートリンクも登場します。

18世紀に流行った伝染病ペスト終焉を祝って建てられた聖三位一体柱。
オロモウツの市庁舎周辺。

クリスマスマーケットではとくにハーブ系の商品を多く見かけました。
まず目に留まったのが、薬草師が作ったハーブの凝縮液「ハーブドロップ」と呼ばれる小瓶のお薬。チェコでは古来より薬草による民間医療が盛んで、体調が悪い時はこのハーブドロップ水やお湯に数滴たらして飲みます。飲腹痛、風邪、睡眠、肝機能の促進、ストレスを和らげるものなど、20種以上のハーブが置かれていました。

ハーブドロップ。現代でも各家庭で先祖代々から伝わるレシピが根付いています。

もうひとつはハーブソルト。ローズマリー、バラ、ラベンダー、オレンジ、マリスの5種のハーブを贅沢に使ったバスソルトは量り売りで、ピュアな香りが立ち込めていました。

南ボヘミア産のバスソルト「マツラ」。ピュアな香りに癒されます。

オロモウツはチーズの産地でも知られています。脂肪分を抜いた牛乳から作る熟成チーズ「トヴァルシュキ」はヨーロッパの原産地名称保護制度(PDO)の認証を得ています。春には、チーズ祭りが開かれるほど。

>>②チェコ ブルノのクリスマスマーケット

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INFORMATION

オロモウツのクリスマスマーケット

場所:聖三位一体柱前周辺の広場(広範囲にわたる)

PROFILE

鈴木幸子 Sachiko Suzuki

世界を旅するトラベルジャーナリスト&エディター。宮崎県宮崎市木花出身。
人が好き、取材も大好き。出版社勤務や地球の歩き方編集を経て、2004年に制作会社らきカンパニー設立。年間7~8回は海外取材へ出向き、70か国以上の国を頻繁に取材している。2010年から時々、まちづくりにも関わっている。
通信社、雑誌、クルーズ業界誌、機内誌、ムック本、書籍、オンラインを含め、各メディアで執筆中。JTBるるぶ『アンコールワットとカンボジア』初版制作。著書に『もち歩きイラスト会話集タイ/池田書店』、『みやざきの自然災害』などがある。
2023年春より、時事通信こどもニュース「あなたの旅、わたしの旅」連載中。
趣味は海外旅行。世界の路地&市場巡り。長唄三味線、川柳句会に参加すること。会社名の「らき」はギリシャ・クレタ島の地酒の名前。

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