ときめきぬいぐるみクリエイターJUNK FOOD OPERA ハタヤエリさんインタビュー vol.2 ただ、かわいいをつくり続けたい。
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ぬいぐるみ作家のぬいぐるみが“キャラクター”として人気になると、ネクストステップにあるのが、「プライズ品」への展開です。プライズ品とは、アミューズメント商品として、カプセルトイ(ガチャガチャ)やUFOキャッチャーで獲得できる景品のこと。手縫いのぬいぐるみがプライズ品になるということは、1点ものではなくなり、工場で大量生産されるということです。またたくまに人気者になったJUNK FOOD OPERAのぬいぐるみを生んだハタヤさんにはあらゆる企業から商品展開の依頼が舞い込んできました。
2021年には株式会社フクヤが、全国のラウンドワンのクレーンゲームでゲットできる「エビ天ちゃん BIGぬいぐるみ」を展開。さらに、株式会社プレステージとコラボした「クオッカちゃん わくわくおでかけマスコット」が全国のLOFTで販売されました。さらに、2022年には株式会社しまむらとコラボして、クオッカちゃんが、Tシャツやクッションになって登場。まだまだあります。株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションからはTシャツや缶バッジ、シールやキーホルダーが販売されました。株式会社メディコム・トイからはVAG(vinyl artist gacha)というツルツルになったソフビのクオッカちゃんが登場しました。さらに2023年にはクラウドファンディング企画から誕生した写真集『#クオッカちゃんのいる生活』を刊行しました。
「私の場合は、JUNK FOOD OPERAのぬいぐるみをキャラクターとして見ているところがあって。例えばクオッカちゃんだと、カプセルトイや巨大なぬいぐるみになっていますけど、工場でつくるからこそ出るかわいさもあると思うんです。かわいいを宿している、内から出るかわいさがある、魂の部分はブレないので。ありがたいことに今、手縫いのクオッカちゃんは欲してくれている方がとても多く、たくさんの人の手に渡りにくい状況が続いています。なので企業さんの工場を借りて、なかなか抽選で当たらない方にも届くようにしたい、という想いもあります。工場生産になっても、ちゃんとかわいいから」。
クオッカワラビーに会いたいという気持ちで描いていたイラストから、立体のぬいぐるみとなって誕生したクオッカちゃん。いまや、たくさんの人に愛されるキャラクターとなりました。SNSで「#クオッカちゃんのいる生活」で検索してみると、人の生活にクオッカちゃんが寄り添う、楽しそうな写真を見ることができます。ハタヤさんもその様子を時々見るそうで、「かわいがられてるなあ…って感じます。お迎えしてくれた方の日常にうちのぬいぐるみがいるところを見ると嬉しいですね」。さらにこう続けます。「私のぬいぐるみたちには、大人から子どもまで、男性のファンもいらっしゃって年代もさまざま。いろんな職業だったり立場だったり、そういう方との出会いもクオッカちゃんが繋げてくれたなって思いますね」。
「おばあちゃんになっても、かわいいものをつくる仕事をしていたいんです。お茶目なおばあちゃんになって、かわいいものを生み出す、そういう概念のような存在になりたい。クオッカちゃんをつくり始めてから、自分が何かになりたいというよりは、クオッカちゃんに連れられて、気が付いたら何かになっている、という感じなので。将来的にも、とりあえずかわいいものをつくり続けたいのと、健康でありたいです」。
ハタヤさんにとってぬいぐるみはずっと近くにいた存在。小学2年生の時に買ってもらったピコナちゃんというふくろうのぬいぐるみは今でも身近な存在として過ごしています。「ぬいぐるみはただ存在がかわいい」。そんなぬいぐるみをつくり始めて、ハタヤさんの活動の幅はぐんと広がりました。次につくりたいのは、ずばり“蜃気楼のぬいぐるみ”。ぬいぐるみたちが、「JUNK FOOD OPERAハタヤエリ」をこのまま、どこか遠くまで連れていってくれるのでしょう。
PROFILE
JUNK FOOD OPERA ハタヤエリ
横浜美術短期大学グラフィックデザイン科卒。
ときめきぬいぐるみクリエイター/キャラクターデザイナー/イラストレーター/その他毎日の暮らしにわくわくとときめきをプラスする、可愛いものづくりの活動をしています。
HP: https://www.junkfoodopera.com