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ぬいぐるみ作家ふぃぃゆ kayoさんインタビュー vol.2 「つくる」ことで見えた世界。

vol.1 に引き続き、kayoさんにインタビュー。お家の中には手仕事の品々が綺麗に飾られていて、聞かないわけにはいきませんでした。
photo: Taku Kato(QTV), interview & text: Hinako Ishioka

ふぃぃゆさんインタビュー vol.1はこちら

編集部

お家の至る所に手仕事の品々が飾られているのが気になります。これらもお好きなんですか?

kayo

ぬいぐるみをつくり始めてから、誰かが手でつくったものに目がいくようになったんです。郷土玩具や民芸品、しめ縄が大好きです。民芸の器は窯元まで、郷土玩具は工房まで現地に足を運んで、つくり手のすぐ側で買うのが楽しくって。個人的にアポイントをとって買いに行ったりもします。

kayo

あとは、仮面も好きです。民博(国立民族学博物館@大阪万博記念公園)にめちゃくちゃ好きなルーマニアの仮面があって、すごくかわいくて、自分の部屋にも飾りたくなって探しました。でも、ルーマニアの民族の伝統的な祭りの仮面なので販売はされていなくて、それでも欲しかったので自分でつくってみようと思いました。動物のぬいぐるみのほかに“mamorigamiシリーズ”として森の精霊や生き物の先祖、守り神などをテーマにした仮面とぬいぐるみもつくっています。

「mamorigami 仮面」photo:kayoさん

kayo

手仕事で生まれたものは、既製品じゃないので、ちょっとした手の振れで生まれる歪みを魅力ととることができます。手仕事のあたたかみが感じられるものだったり、自然素材でできたものに惹かれます。

編集部

歪みも魅力。手づくりの個性的なぬいぐるみもどこか似ているのでしょうか。

kayo

ぬいぐるみをつくっていると、1体1体、表情が違います。1度つくったぬいぐるみと同じものはつくれないんです。自分が郷土玩具を買う時も、微妙な歪みだったり個体差のなかから自分の好きなものを選んで買うのが楽しくて。なので、私がぬいぐるみを販売する時も、オーダーでの制作はお受けしないようにしています。オーダーしていただいて、表情がちょっと違うなと思われると申し訳ないので。気に入った表情のものを見つけてもらって、これが好きと思って買っていただきたいんです。 つくる時も、体のフォルムや大きさの違いがおもしろいので、毎回フリーハンドで型を決めて縫っています。つくる側としても、毎回違うのがおもしろいから、きっとつくり続けられているんだと思います。

編集部

1点ものの手仕事のおもしろさに気づかれたんですね。

kayo

15年前仕事を辞めて東京に行く、という転機がなかったら、ぬいぐるみをつくり始めていなかったと思います。そこから「ものづくり」の世界を知ることができて、生活がすごく楽しくなりました。「ものづくり」って何歳になっても楽しめる趣味で、ずっと好きなものになると思います。それに、ぬいぐるみづくりを始めて、「もの」をひとつずつ選んで買うようになりました。 それと同時に「つくる」ことも、日常生活の一部になりました。自分の欲望のためにつくっていて、つくらないと落ち着かないんです。これまでいろいろつくってみましたが、ぬいぐるみだけが続いていますね。全然飽きない。ぬいぐるみは、つくりたいものがまだまだいっぱいあるから…。

1点もののぬいぐるみとの出会いから、kayoさんの日常が広がりました。「とにかく今もつくりたくって」。目を輝かせながらそう語るkayoさんの純粋な欲望は、とてもまぶしいものでした。
kayoさんは、自分の感性を頼りに、自分の好きなものを、自分の目と足で探しに行って、選び、集めていきます。さらに、大好きな動物と独自のセンスを掛け合わせて、その手で自分にしかつくれないぬいぐるみをつくりあげます。kayoさんにとってはシンプルなことかもしれませんが、きっと簡単なことではありません。

愛犬の虎太郎。

PROFILE

ふぃぃゆ kayo

2007年より独学でぬいぐるみ作りを開始。
型紙をつくらずフリーハンドで主に動物のぬいぐるみを製作。ブランド名「ふぃぃゆ」で活動する。
視界に入った時に思わずクスッとなるような、大人の方にもぬいぐるみを側に置いて飾って楽しんで頂けるようなそんな作品をテーマにしている。
現在は年に数回自身のonline shopやお取り扱いshopにて作品を販売している。

kayoさんのInstagram: https://www.instagram.com/kayo_fille/

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