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「SUBARU」店主 溝口明子のラトビアの手仕事をめぐる旅 vol.15 手仕事に出会えるおすすめショップ⑥Kalndaķi(カルンダキ)

バルト海に面した緑豊かな国、ラトビアに伝わる手仕事の数々。今も昔も変わらない、素朴でやさしい温もりのある伝統的な技、そしてそれらを残し伝えていくベテラン職人、伝統を受け継ぎ新たな形を築く若手作家の作品など。雑貨屋「SUBARU」の店主・溝口明子さんが出会った、ラトビアの手仕事の現在(いま)を現地の写真と共にお届けします。
Text,photo:Akiko Mizoguchi

>>前ページ 手仕事に出会えるおすすめショップ⑤Pinumu Pasaule(ピヌム・パサウレ)

サマーハウス文化を気軽に体験「Kalndaķi」(カルンダキ)

ラトビア人のメジャーな余暇の楽しみ方は、サマーハウスでのんびり過ごすこと。多くの人が森の中や湖のそばといったカントリーサイドに別宅を持っていて、時間があればそこで過ごします。
ここで紹介するカルンダキは、前ページに登場したペーテリスさんご夫妻のサマーハウス。リガから車で西へ進むこと約一時間、未舗装の森の中にあります。数年前までリガの工房兼ご自宅で暮らしていたご夫妻ですが、現在はリガを離れて、サマーハウスとして活用していたこの家で暮らしています。道中の森や池も所有地という広大な自然の中に建つ母屋のほかに、別棟を建築して、2019年8月に誰でも宿泊できるゲストハウスとして生まれ変わりました。

ご夫妻が生活する母屋の眼前には池が。©Kalndaķi
2019年にオープンしたゲストハウス棟。©Kalndaķi

このサマーハウスには、ゲストハウスとしてオープンする前に何度も滞在させてもらったことがあるのですが、森の中にぽつんとある立地。夏はピルツ(ラトビア式サウナのこと)やボート遊び、秋はピヌム・パサウレのバスケットを持って森でキノコ狩り、満点の星空を眺めながら焚火を囲んでのんびりしたりと、何にも急かされない、最高にリラックスできる時間を過ごせました。

敷地内で飼われている家畜類とも触れ合える。©Kalndaķi
ピルツのあとはこの池へドボンと飛び込みクールダウン! ©Kalndaķi

カルンダキで過ごせば、ラトビアのサマーハウス文化を気軽に体験できます。また、ペーテリスさんの工房があるので、ここでもバスケットのお買い物やワークショップに挑戦できます。特に、ラトビアの自然の中で自分で編むバスケットは、一生の宝物になりそうです。

ピヌム・パサウレ同様に、バスケットがたっぷり並んでいる。©Kalndaķi

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INFORMATION

Viesu nams ”Kalndaķi”

住所:”Kalndaķi”, Smārdes pag., Engures nov.

©Kalndaķi

>>前ページ リガ郊外のバスケット専門店⑤「Pinumu Pasaule」(ピヌム・パサウレ)

PROFILE

溝口明子 Akiko Mizoguchi

ラトビア雑貨専門店SUBARU店主、関西日本ラトビア協会常務理事、ラトビア伝統楽器クアクレ奏者
10年弱の公務員生活を経て、2009年に神戸市で開業。仕入れ先のラトビア共和国に魅せられて1年半現地で暮らし、ラトビア語や伝統文化、音楽を学ぶ。現在はラトビア雑貨専門店を営む一方で、ラトビアに関する講演、執筆、コーディネート、クアクレの演奏を行うなど活動は多岐に渡っている。
2017年に駐日ラトビア共和国大使より両国の関係促進への貢献に対する感謝状を拝受。ラトビア公式パンフレット最新版の文章を担当。著書に『持ち帰りたいラトビア』(誠文堂新光社)など。クアクレ奏者として2019年にラトビア大統領閣下の御前演奏を務め、オリンピック関連コンサートやラトビア日本友好100周年記念事業コンサートにも出演。神戸市須磨区にて実店舗を構えている。

http://www.subaru-zakka.com/

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