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「SUBARU」店主 溝口明子のラトビアの手仕事をめぐる旅 vol.11 手仕事に出会えるおすすめショップ ④ETMO(エトモ)

バルト海に面した緑豊かな国、ラトビアに伝わる手仕事の数々。今も昔も変わらない、素朴でやさしい温もりのある伝統的な技、そしてそれらを残し伝えていくベテラン職人、伝統を受け継ぎ新たな形を築く若手作家の作品など。雑貨屋「SUBARU」の店主・溝口明子さんが出会った、ラトビアの手仕事の現在(いま)を現地の写真と共にお届けします。
Text,photo:Akiko Mizoguchi

国内で作られたテキスタイルとリネン製品が豊富にそろう ETMO(エトモ)

上質で洗練されたラトビアのハンドクラフトを探すならこのお店。店内にはスタイリッシュでありながら、温かみを感じるアイテムがずらりと並んでいます。
オーナーのシグネさんによると、店名のETMOとは「ethnographic」と「modern」を組み合わせた造語で、古き時代の伝統工芸の技を現代の製品として復活させることを表現しているそうです。

パステルカラーが目を引く建物の一角に店を構えている。
まさにethnographicでmodernなアイテムが並ぶ店内。

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シグネさんは、出産を機に、自分の心情により近くて、さらには何か母国ラトビアのためになることをしたいと決心して、2013年にリガの旧市街でETMOをオープンさせたそうです。そのため、並べているアイテムは、すべてラトビア国内で手作りされているものに厳選しています。特にテキスタイルに情熱を注いでいて、シグネさんを表わす分身のような存在だといいます。と同時に、ラトビア製のハンドクラフトを販売することは、先人たちが守り伝えてきた伝統工芸という文化遺産を継承すべく努めている、現代の職人や作家さんたちを大切にすることに繋がっていると考えています。

店内にはETMOブランドとして、リネンで手織りされたキッチンクロスやランチョンマット、テーブルランナー、ストールなどのファブリック類が幅広く並んでおり、最近ではリネンの洋服やニットウェアも販売し始めたそうです。他にも、ラトビアの職人さんが作った陶器やアクセサリーなどの手工芸品も扱っています。

充実のファブリック類と、センスが光る陶器などの他のアイテム。

バラエティーに富んだファブリック類の中でも、特に自慢の商品は手織りのスカーフなのだそう。何世代にも渡って機織りの技術を受け継いでいる熟練の織物職人によって、一点ずつ愛情を込めて手織りされているそうです。こうしたスカーフを店頭に並べることで、ラトビアの織物の伝統を守っていることに誇りを持っています。

「ラトビアで何か特別なもの、心を込めて手作りされた上質なものをお探しなら、ぜひETMOにお越しください」とシグネさんは胸を張ります。

看板商品のスカーフは圧巻の品揃え。

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INFORMATION

ETMO

住所:Torņa iela 4-3A, Rīga

https://etmo.lv/

>>前ページ 熟練ニッターさんによる手編みミトンの宝庫 ③TĪNES(ティーネス)

PROFILE

溝口明子 Akiko Mizoguchi

ラトビア雑貨専門店SUBARU店主、関西日本ラトビア協会常務理事、ラトビア伝統楽器クアクレ奏者
10年弱の公務員生活を経て、2009年に神戸市で開業。仕入れ先のラトビア共和国に魅せられて1年半現地で暮らし、ラトビア語や伝統文化、音楽を学ぶ。現在はラトビア雑貨専門店を営む一方で、ラトビアに関する講演、執筆、コーディネート、クアクレの演奏を行うなど活動は多岐に渡っている。
2017年に駐日ラトビア共和国大使より両国の関係促進への貢献に対する感謝状を拝受。ラトビア公式パンフレット最新版の文章を担当。著書に『持ち帰りたいラトビア』(誠文堂新光社)など。クアクレ奏者として2019年にラトビア大統領閣下の御前演奏を務め、オリンピック関連コンサートやラトビア日本友好100周年記念事業コンサートにも出演。神戸市須磨区にて実店舗を構えている。

http://www.subaru-zakka.com/

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