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「SUBARU」店主 溝口明子のラトビアの手仕事をめぐる旅 vol.10 手仕事に出会えるおすすめショップ ②Hobbywool(ホビーウール)

バルト海に面した緑豊かな国、ラトビアに伝わる手仕事の数々。今も昔も変わらない、素朴でやさしい温もりのある伝統的な技、そしてそれらを残し伝えていくベテラン職人、伝統を受け継ぎ新たな形を築く若手作家の作品など。雑貨屋「SUBARU」の店主・溝口明子さんが出会った、ラトビアの手仕事の現在(いま)を現地の写真と共にお届けします。
Text,photo:Akiko Mizoguchi

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伝統的なミトンを愛する編み物専門店 Hobbywool(ホビーウール)

ラトビアの編み物、特に伝統的なミトンをこよなく愛するIeva Ozoliņa(イエヴァ・ウアゾアリニャ)さんがオーナーを務める編み物専門店です。
リガ旧市街にある聖ヤコブ教会の裏側にたたずむホビーウールは、ひときわお洒落なファザードが目を惹きます。ハイセンスな内装の店内には、温かなウール製品やエッジの効いたおしゃれな雑貨が並んでいます。編み物ができない私でも、そのセンスの高さに店内を歩くだけでワクワクします。また、国内外から取り寄せた毛糸の取り扱いも多いので、編み物愛好家が集います。

絵画のような雰囲気が漂うホビーウールの外観。
手編みのウール製品が並ぶ店内の様子。
お洒落なディスプレイにも注目!
隣りの部屋には毛糸がずらり。

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イエヴァさんは「多くの人にラトビアの編み物を楽しんでほしい」と考えていて、特にオリジナルキットの作成に力を入れています。
ラトビアの伝統柄を研究し、アレンジを加えてデザインし、”Knit like a Latvian”をキーワードにして、ミトン、靴下、フィンガーレスグローブに取り組めるキットを次々と制作。編み図と説明書、ラトビア産の毛糸がセットされたキットは、今や世界中に向けて販売されています。また、同じキーワードをタイトルにした編み物の本も出版しており、ミトン、靴下、帽子、マフラー、ストールなどの編み方を図説とともに解説していて、ラトビアの編み物文化の普及に努めています。

数年ぶりに再会できたオーナーのイエヴァさん。
ずらりと並ぶ手編みキットはパッケージもお洒落。
イエヴァさんの著作の「Knit like a Latvian」シリーズ。左のミトン本は日本でも出版されている。

何年も前のことになりますが、イエヴァさんと一緒にミトンのキットの新シリーズを制作したことがあります。
古い文献を見せてもらいながら打ち合わせを重ねて感じたのは、イエヴァさんご自身が誰よりも〝Hobbywool“だということ。ラトビアのミトンへの愛と敬意が伝わってきました。昨夏、コロナ禍を経て数年ぶりに会えましたが、「新しい挑戦を始めたのよ!」と、デザイナーとして携わった新ブランドの靴下を見せてくれました。編み物への情熱とそこへ注がれるパワーは何年たっても健在でした。

紹介してくれた新商品の靴下。伝統的な手編み靴下のデザインが用いられている。

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INFORMATION

Hobbywool

住所:Mazā Pils iela 6, Rīga

http://www.senaklets.lv/

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PROFILE

溝口明子 Akiko Mizoguchi

ラトビア雑貨専門店SUBARU店主、関西日本ラトビア協会常務理事、ラトビア伝統楽器クアクレ奏者
10年弱の公務員生活を経て、2009年に神戸市で開業。仕入れ先のラトビア共和国に魅せられて1年半現地で暮らし、ラトビア語や伝統文化、音楽を学ぶ。現在はラトビア雑貨専門店を営む一方で、ラトビアに関する講演、執筆、コーディネート、クアクレの演奏を行うなど活動は多岐に渡っている。
2017年に駐日ラトビア共和国大使より両国の関係促進への貢献に対する感謝状を拝受。ラトビア公式パンフレット最新版の文章を担当。著書に『持ち帰りたいラトビア』(誠文堂新光社)など。クアクレ奏者として2019年にラトビア大統領閣下の御前演奏を務め、オリンピック関連コンサートやラトビア日本友好100周年記念事業コンサートにも出演。神戸市須磨区にて実店舗を構えている。

http://www.subaru-zakka.com/

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