【イギリス】サンプラー刺繡
photo: Ayako Hachisu, text: Yoko Kaji
18世紀以降、ヨーロッパの女性たちは階級の上下に関わらず、家事に必要なこと、あるいは教養のひとつとして刺繍をたしなんだ。
技術の習得のために基本的な技法や図案を刺したものがサンプラー。おもな技法はクロスステッチで、数字やアルファベット、ラインなどのほかに、刺し手の名前や年号が入っているものも多く見られる。1524年にドイツで最初の図案集が出版される前は、技術を伝える教科書のような役割も果たしていた。


出典:『ヨーロッパのかわいい刺繡』誠文堂新光社 刊