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もめん絲

母娘で営業する会津木綿の専門店。地元ゆかりの作家さんの商品と、会津木綿の反物がぎっしり並ぶお店です。
photo: Takashi Sakamoto, text: Hinako Ishioka

「会津木綿」一本で、世代を越えて愛される名店。

七日町通りに面する外観。

会津にゆかりのある商店が立ち並ぶ、七日町(なぬかまち)通りの西の端から歩いて3分ほどの場所に、「もめん絲」はあります。
七日町通りとは、江戸時代に北関東と東北の要所を結んだ“会津五街道”の起点となっていた大町四つ角から、現在の七日町駅あたりまでを繋ぐ通りです。歴史的に多くの人が行き来する交流の場で、会津若松の文化経済・交通の拠点となっていました。

もめん絲は、会津木綿の専門店として26年前に鈴木幸江さんが開業しました。現在は娘の大谷恵さんもお店の運営に携わるようになり、二人三脚で営業しています。
お店には、会津木綿の生地や端布、地元の人をはじめとする約20人の作家さんによるバッグやポーチなどの小物、そしてウエアが販売されていてます。その作家さんのほとんどが、最初はお客さんとして来られていた方だそう。

鈴木幸江さん。人気商品のうさぎのメジャーを紹介してくれた。レジの後ろには、木綿好きにはたまらない量の反物がずらり。

お店を始めるきっかけとなったのは26年前、鈴木さんの友人からの誘いでした。当時、人口減少や交通手段の変化により、七日町通りから人が減った時期で、七日町通りをもう一度人が集まる場所にしようとするムーブメントの中の出来事でした。
当時、鈴木さんはパッチワーク教室に通い始め、ちょうど会津木綿と出合った時期。「今でこそ、いろいろな色が出てきているけど、あの頃は素朴なものが多くて。あんまり派手じゃない、その素朴さが好きになりました。友達が店を出してって言うから、初めは遊び半分で会津木綿の店を始めたわけです。怖いもの知らずだよね」。
それから25年。七日町通りは徐々に人が集まるようになり、今では会津観光に欠かせないスポットになりました。もめん絲は、七日町通りの一角で会津木綿の魅力を伝え続けています。

お土産には小物が人気でも、お客さんの半数はものづくりのための木綿素材を求めて来るそうです。「地元の常連さんもたくさんいます。パッチワークが好きな人には端布も人気。最近は20代から30代くらいの若い子で、ものづくりをやる子が多くなって、良いことだなと思います」。もめん絲が拠点となり、会津木綿を使ったものづくりが世代を越えて受け継がれていきます。

1反12メートルの生地を切り売りしている。

販売している木綿は、山田木綿織元と、はらっぱでつくられたもの。

取り扱い織元 ①

山田木綿織元

生地幅 : 約37センチメートル
素材 : 綿100%

50センチメートル〜(10cm 単位で)切り売りしています。

1メートルで1,045円(税込)

取り扱い織元 ②

HARAPPA

生地幅 : 約38センチメートル  
素材     : 綿100%

50センチメートル〜(10cm 単位で)切り売りしています。

1メートルで1,320円(税込)

一反(12メートル)で15,840円(税込)

お店を続けてきて良かったことを伺うと、「おしゃべり。人とおしゃべりするって元気が出るよね」ときっぱり即答。ものづくりが大好きな人が集まり、鈴木さんの柔らかい人柄もあって話が弾みます。七日町通りでお土産を探す時にも、ものづくりする人にとっては会津木綿の生地屋さんとしても、大満足のお店です。

7月の取材時には、キキョウナデシコが咲いていた。

INFORMATION

もめん絲

会津木綿専門店。会津若松のお土産店が並ぶ七日町通りにあります。会津木綿生地、端布、作家の作品まで木綿好きにはたまらないお店です。

住所 福島県会津若松市七日町3-31
電話 0242-27-8663
営業時間 10:00~17:00
定休日: 木曜日
ACCESS JR七日町駅から徒歩3分
HP https://momenito.shop/

※表示価格は2023年8月28日現在のものです。

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