【ウズベキスタン】スザニ
photo: Ayako Hachisu, text: Yoko Kaji
スザニ(suzani)は、ウズベキスタンを中心に、タジキスタンやカザフスタンなど、中央アジアの家庭で作られてきた大判の刺繍布。ウズベク語で「刺繍」を意味し、その語源はペルシア語で「針」を示す「スザン」に由来する。18世紀ごろから、女性たちによって結婚の持参品として作られるようになり、壁掛けや間仕切り、ベッドカバーなどに仕立てられた。ソビエト統治時代にはスザニを作ることが規制されたため、その技術は徐々に廃れていったが、1991年の独立以降、欧米の愛好家から注目を集め、ウズベキスタンを代表する伝統工芸として知られるようになった。
出典:『アジアのかわいい刺繡』誠文堂新光社 刊